もう叶わぬ往年のこってりの味

天下一品(以下、天一)の味はここ20年ほどで大きく変わった。スーパーこってりのカテゴリーがなくなり、すべてがスーパーこってり。色も白濁からダークな世界に。度がすぎるこってりは、若者の舌にあわせた味の変化なのか?年を重ねた結果なのか?とにかく、昨今の天一はヘビーなのだ。もちろん、こってり以外の選択肢はある。しかし、この独特の辛さは好き嫌いがはっきりしてくると思う。そして、昨今フランチャイズ化がすすんだので工場一貫生産のスープは個性のない天一ばかりだ。

しかし、天一の中にあってとんでもメニュー連発の千代原口の桂店(閉店したが再び再開したが普通の天一に戻ってしまった。)やこの店だけは違ってた。そう、「天一京極店」だ。ポルノ映画館八千代館が陰鬱なストリートを演出していた京極の裏通り時代から存在した老舗中の老舗。フランチャイズながら天一の模範となる店だ。白濁のスープはとてもマイルドで優しいとろみ、そう、昔ながらのこってりだ。これぞ、往年の天一の味。とてもバランスが良い。そして、体調が悪い時は、にらをトッピングしてエネルギーを注入する。いや、するではなく、した。そう過去のはなしになってしまった。この愛する京極店が2020年9月20日に閉店してしまったのだ。

インバウンドブームには台湾人や中国人が押しかけた。店内には英語と繁体字があふれた。そして、コロナ。半地下の狭い、古い店。密にならざるをえない。
上階のフジジャズスクールとジャズ喫茶ポントもろともビルを閉めてしまったようで、八千代館のころのさみしいストリートへ戻ってしまった。

さようなら、天下一品 京極店

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